記事作成時間が大幅に短縮!microCMSで実現した非エンジニア運用とモダンな技術への転換

記事作成時間が大幅に短縮!microCMSで実現した非エンジニア運用とモダンな技術への転換
導入前の課題
  • Movable Typeでの記事作成ごとにHTMLコーディングを行い、1本あたり1時間以上を要することもあった
  • 業務の属人化により、軽微な修正でもエンジニアへの依頼が必要だった
導入後の効果
  • 記事作成時間が最短5分に。人的コストは20分の1に削減された
  • 広報チーム全員での自立運用により業務効率が上昇し、記事公開まで2日で行えるようになった
  • モダンな技術スタックを採用することで、エンジニア採用活動の向上にも期待
目次

モバイルゲームの開発・運営を主力とする株式会社コロプラ 。同社は2025年4月、コロプラの「現在地」と「目的地」を発信するオウンドメディア「ピンマーク」を立ち上げ、そのコンテンツ管理にmicroCMSを採用しました。

今回お話を伺ったのは、同社でWebサイト制作チームのマネジメントとエンジニアリングを担当する根岸良樹さんと、コーポレートデザイン部 広報グループでマネージャーを務める猪野理絵さん。microCMS導入の背景から技術的な詳細、そして今後の展望まで詳しくお聞きしました。

導入の背景:コロプラの魅力や強みを知ってもらうことを目的としたオウンドメディア構築

microCMSを導入した背景を教えてください。

-猪野さん
弊社の広報グループの体制が昨年末に変わり、「対外的な情報発信をこれまで以上に強化していこう」という方針になりました。それまでも採用サイトなどでインタビュー記事を公開していましたが、コロプラ全体の魅力や強みを、体系的かつ網羅的に伝えられる手段は十分でないと感じていたんです。そこで、効果的な情報発信の手段としてオウンドメディアの活用に着目し、本格的に取り組むことになりました。 

-根岸さん
技術面においても、社内でもっとモダンな技術を取り入れていこうという動きが高まってきたところでした。実は、弊社ではjQueryなど現在では古いとされる技術を使い続けていたのが実情です。 

既存のサイトの記事ページも、もともとMovable Typeで制作されていましたが、記事ごとにHTMLでコーディングしており、1本の記事を作成するのに1時間以上かかっていたりしていて……。また、業務が属人化していたため、ちょっとした修正であってもエンジニアがすべて対応しないといけないという状況だったのです。

microCMSを導入した決め手は何でしょうか?

-根岸さん
最も大きなポイントは、microCMSが「国産のヘッドレスCMS」であるという点でした。他にもいくつか海外製のヘッドレスCMSを試してみましたが、操作性や言語の面で扱いにくさを感じたんですよね。利用者が少人数であれば問題はなかったかもしれませんが、広報をはじめとする非エンジニアや、他部署のメンバーも利用することを考慮すると、直感的に操作できる国産CMSのほうが適していると判断しました。

また、microCMSの公式ブログでは、技術的な内容や運用方法に関する記事が豊富に公開されており、開発を進めるうえで非常に参考になりました。 

-猪野さん
ブランディングを強化していくという会社全体の方針も、microCMSの導入を後押しする要因となりました。デザイン性の高いオウンドメディアを作り上げるにあたり、microCMSの柔軟性は大きな魅力だと感じました。

-根岸さん
これまで、弊社ではクリエイターズブログやエンジニアブログを既存のブログサービスで運用してきましたが、今回ヘッドレスCMSを採用したことで、より自由なデザイン設計が可能になり、表示速度の高速化という利点も活かすことができたと思います。

検討開始から導入に至るまでの期間を教えてください。

-猪野さん
2025年1月中旬に広報チームでオウンドメディア立ち上げに向けた企画をまとめて、1月末にWebチームに共有しました。 

-根岸さん
2月に入ってから本格的にプロジェクトをスタートさせ、4月には「ピンマーク」をリリースしましたね。企画開始から数えると、公開まで約3か月という短期間でのリリースが実現できました。

活用の状況: microCMSを利用したことで、3名の広報担当者による内製化を実現

microCMSを利用しているサイトと、その利用箇所について教えてください。 

-根岸さん
2025年4月に公開したオウンドメディア「ピンマーク」内のコンテンツはすべてmicroCMSで管理しています。今後は当社が展開しているゲームタイトルの公式サイトや、コーポレートサイト、採用サイトにも展開していきたいと考えています。

microCMSを利用したコンテンツの運用フローについて教えてください。 

-猪野さん
根岸から更新方法のレクチャーを受け、現在では広報グループの3名全員が運用できる体制が整いました。原稿が公開予定日のギリギリに完成することも多いのですが、あらかじめテンプレート化されているため、即日での記事制作が可能になっています。

制作後には念のためWebチームにも確認を依頼し、体裁に問題がないことを確認したうえで公開していますが、それでも早ければ2日で記事を公開できるようになりました。

-根岸さん
レビュー機能の導入も検討はしましたが、「スピード感のある運用を優先したい」という広報側の要望があったため、現時点では使用していません。今後、運用人数が増えるようであれば導入を検討したいですね。 

一方、権限管理に関しては工夫をしています。たとえば、開発者向けにはエンジニアのみが利用できる専用ロールを用意し、広報グループには記事の作成・編集に限定した権限を付与しています。また、外部ライター用には必要最小限の権限だけを設定しています。microCMSはAPIの設定に関連する項目などを非表示にできるので、安心して運用できると感じています。 

サイトの技術構成と、その構成を採用した理由についてもお聞かせください。 

-根岸さん
フロントエンドのフレームワークには、Next.jsを使用しています。また、Tailwind CSSなど、現在一般的に「モダンフロントエンド技術」とされるものを幅広く取り入れています。 

ホスティングにはGoogle CloudのApp Engineを利用しており、レンダリング方式はSSR(サーバーサイドレンダリング)を採用しています。

これからは、WordPressやMovable Typeといった従来型のCMSではなく、APIベースのヘッドレスCMSであるmicroCMSを採用する方針に切り替えていく予定です。そのため、Next.jsのような柔軟で拡張性の高い技術を積極的に活用しています。

導入までのプロセス:公式ブログを活用して学習コストを削減。懸念点はカスタマーエンジニアと直接やりとりして解消

導入プロセスはどのように進みましたか? 

-根岸さん
スケジュール的にはかなりタイトだったので若干ハードになりそうだなとは思っていました。ただ、今回のように、ゼロからWebサイトを構築する機会は社内でもなかなかないので、「このタイミングを逃したら、モダンなフロントエンド技術を導入する機会はもう来ないのではないか」と感じていたんです。そういった思いも後押しとなり、プロジェクトを進めていきました。

構築チームは6名体制です。私は制作のマネジメントを担当するとともに、microCMS管理画面の設定も行いました。それ以外に、フロントエンドエンジニアが1名、デザイナー兼コーダーが2名、UXデザイナーが1名、アートディレクターが1名という布陣で進めましたね。

コンテンツの移行作業も大きなテーマでした。もともと約200件の記事がすでにMovable Typeで作成されていたのですが、すべての記事がHTMLで直接コーディングされており、さらに記事ごとにコードの構造が異なるという状況だったんです。そこで、1記事ずつ目視確認しながら、手作業でmicroCMSの管理画面に移行していきました。

導入時に直面した課題や予想外の問題はありましたか?

-根岸さん
大きな問題は発生しませんでしたが、当初は「自分たちが考えたデザインを本当に実現できるのだろうか」という不安がありましたね。その懸念を解消するため、開発中に一度microCMSのカスタマーエンジニアの方とミーティングを行い、直接相談させていただいたんです。その場で具体的な解決策を示していただけたことで、不安が払拭されました。ありがたかったですね。

逆に、導入を進めるにあたって、想像以上にスムーズに進んだと感じた点はありましたか?

-根岸さん
microCMSの公式ブログが非常に充実しており、初めてヘッドレスCMSを導入する立場としては、学習コストを低く抑えることができて大変助かりました。おかげで、導入前に想定していたスケジュールから大きくずれることなく、順調に進めることができましたね。

導入の効果:広報チームのメンバー全員が自分たちで記事更新可能に。業務全体の効率アップにも寄与

microCMSの導入後、どのような具体的な改善や効果が見られましたか? 

-猪野さん
以前は記事を作成するたびにエンジニアがHTMLでコーディングする必要があり、軽微な修正ですら依頼するのにためらってしまうことも正直あったんです。

でも現在は、広報チームのメンバー全員が自分たちで記事を更新できるようになったので、さまざまな変更や修正も自分たちで迅速に対応できるようになりました。業務全体の効率も大きく向上したと感じています。 

導入によって業務効率や生産性の面で変化を感じることはありますか? 

-根岸さん
現在は月に4〜5件の記事を更新していますが、以前は1件あたり1時間以上かかっていた作業が、今では最短で5分ほどで完了するようになりました。人的コストの面で考えると、おおよそ20分の1程度にまで削減できているのではないかと思います。 

-猪野さん
更新作業が広報チーム内で完結するようになったことで、「この修正にあわせて画像も変えてみよう」といった柔軟な運用も可能になりました。

CMSは専門知識がないと扱えないものだという印象がありましたが、microCMSは直感的に操作できるため、非常に扱いやすいと感じています。

既存のWebサイトにもmicroCMSを活用することで、エンジニア採用の質の向上にも期待

今後、microCMSをどのように使っていきたいか、などの展望はありますか?

-根岸さん
現在コロプラが運営している10本以上のゲームタイトルのWebサイトすべてを、順次microCMSに置き換えていきたいと考えています。将来的にはIRサイトなど、より多様な社内外向けのWebサイトにもmicroCMSを活用していく予定です。

そうすることで、エンジニアの採用活動にも寄与できるのではないかと感じています。たとえば、候補者がコロプラのWebサイトを見たときに、ソースコード上でjQueryのような古い技術が使われていると、それだけで応募を見送る理由になってしまう可能性もあるんですよね。今回のmicroCMS導入を機に、社内の技術基盤をモダンなものに一新することで、採用活動の向上にもつながるのではないかと期待しています。 


取材協力:エディット合同会社(ライター:成重敏夫 撮影:関口佳代)

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導入事例集 - 課題・ケース別編

microCMSを導入いただいた企業の事例を課題やケース別にまとめた資料です。microCMS導入前に抱えていた課題、microCMS導入後の効果をご覧いただけます。

導入事例集 - 課題・ケース別編
導入事例集 - 課題・ケース別編 導入事例集 - 課題・ケース別編

目次

  1. 表示速度などのパフォーマンス改善
  2. 保守・運用コスト削減
  3. 工数削減
  4. 開発面における柔軟性
  5. 管理画面などの利便性
  6. セキュリティの高さ
  7. 充実のサポート
  8. WordPressからの移行
  9. Movable Typeからの移行

こんなことを知りたい方におすすめ

  • どんな課題をもつ企業がmicroCMSを導入しているのか
  • microCMS導入前に抱えていた課題、microCMS導入後の効果がどのようなものか