- システム基盤とコンテンツが一体化した構成で、コンテンツ更新にエンジニアの作業が必要だった
- その都度HTMLの編集が発生しており、リアルタイムな情報発信が難しかった
- コンテンツ担当者だけで記事の更新が完結できるようになり、エンジニアへの依頼プロセスが不要になった
- 更新作業に伴うコミュニケーションコストと心理的ハードルが下がり、情報発信のリードタイムが短縮された
- FAQ記事のURLを案内することで問い合わせに対応できるようになり、問い合わせ件数自体も減少した
コンタクトセンターソリューション「Your Connect」の開発・運用を手がける、NTTドコモビジネス株式会社。同サービスの利用者向けポータルサイト「Your Connect Portal」では、マニュアルやFAQなどのコンテンツ管理基盤としてmicroCMSを活用しています。 今回は、ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門 第五グループ 主査の宮本悠さん、同グループの橋本莉彩さん、片栁茉弥さんに、microCMS導入の背景や効果についてお聞きしました。
導入の背景:エンジニアに頼らずコンテンツを更新できる環境を目指して
microCMSを導入した背景をお聞かせください。
-宮本さん
「Your Connect」は、コンタクトセンターのオペレーターの各種業務を支援するサービスです。Amazon Web Servicesが提供する「Amazon Connect」をベースに、NTTドコモビジネスが日本の習慣に合わせて独自開発しています。導入いただいているお客様向けのポータルサイトである「Your Connect Portal」には、CMSを利用して操作マニュアルやFAQを掲載しています。
microCMSを導入する以前は、システム基盤とコンテンツが一体化したサイト構成になっており、コンテンツを更新するためにはエンジニアによる作業が必要でした。新着情報を記事として登録するような仕組みもなく、その都度HTMLの編集が発生する状態だったのです。お客様にリアルタイムで情報をお届けしたい一方で、更新のたびにエンジニアへ依頼するというフローがネックになっていました。

microCMSを選んだ決め手は何でしたか?
-宮本さん
APIベースでフロントエンドと疎結合に設計できる点と、管理画面がシンプルで非エンジニアでもコンテンツの更新がしやすい点を評価しました。WordPressなどのCMSも選択肢としてはありましたが、ソースコードの管理を行いながらコンテンツ更新も簡易にできる構成を求めて、エンジニアチームで仮説検証を重ねるなかで現在の構成にたどり着きました。
導入時の体制と進め方を教えてください。
-宮本さん
主担当者1名と上長に加えてエンジニア2〜3名というミニマムな体制でした。コンテンツ更新時のエンジニアへの依存度を下げたいという背景があったので、更新作業の担当者にとってストレスなく使えそうか議論したうえで開発しました。要件整理から技術検証、フロントエンド開発、コンテンツ反映という流れで導入を進めています。
コンテンツ構造のAPI設計への落とし込みや運用ルールの整理には一定の検討が必要でしたが、担当エンジニアが知見のある状態でスタートしていたこともあり、特に大きな問題は発生せず、スケジュールどおりに進めることができました。

活用の状況:非エンジニアでも30分で記事を公開できる
技術構成について教えてください。
-宮本さん
ソースコード管理、フロントエンド基盤、microCMSによるコンテンツ管理という3つのコンポーネントで構成されています。
microCMSで記事を作成・公開すると、Webhookがトリガーされ、Your Connect Portalへ自動反映されます。サイトの機能改修などが発生するときは、エンジニアがソースコード管理側で作業を行い、完了後には自動でデプロイされる仕組みです。この構成を取ることで、コンテンツ担当者がエンジニアに依頼することなく記事を更新できる体制を整えられました。

どのようにmicroCMSを活用していますか?
-橋本さん
Your Connect Portalでは、ユーザーマニュアル、よくある質問、新機能のお知らせなど、サービス利用に関する情報を集約するためにmicroCMSを利用しています。現時点で約130件ほどの記事を掲載しています。
コンテンツの運用フローを教えてください。
-片栁さん
お客様から頻繁に寄せられる問い合わせをFAQとして記事化したり、新機能リリースのお知らせを掲載しています。更新頻度はおおむね月2〜3回程度です。
記事制作は橋本さんと私が担当し、事前に部署内でチェックを受けた原稿をmicroCMSに入稿しています。掲載内容にもよりますが、簡易なものであれば原稿の入稿から公開までは30分ほどで完結します。

導入の効果:コミュニケーションコストと心理的ハードルが解消
microCMSを導入して、どのような効果がありましたか?
-宮本さん
コンテンツの更新が担当者だけで完結できるようになったため、運用効率が大幅に向上しました。エンジニアへ依頼するプロセスがなくなったことで、更新作業に伴うコミュニケーションコストや心理的ハードルも下がっています。結果的に、情報発信のリードタイムも短縮されました。
-橋本さん
以前は、お問い合わせがあるたびに個別でマニュアルを作成して回答していました。さらに、他のお客様にも同様の問題が発生する可能性があれば、該当する全員に対してご連絡する必要がありました。現在は、FAQ記事を公開してURLをお渡しすることで対応できるようになっています。Your Connect Portalに情報が集約されたことで問い合わせ件数自体も減少し、対応コストはかなり軽減されました。
記事URLをお送りした後に追加で問い合わせをいただくことも少なく、情報を分かりやすく伝えられていると感じています。ナレッジ管理という観点でも、記事として整理されているので社内でも参照しやすくなりました。

microCMSの使い勝手はいかがでしょうか。
-橋本さん
管理画面の日本語表記がわかりやすく、使っていて迷うことがないですね。海外サービスの場合は翻訳の微妙なズレが気になることもありますが、microCMSは安心して使えています。プレビュー機能で公開前の表示を確認できるのも助かっています。
-宮本さん
導入から数年経ちましたが、特に問題なく利用できています。エンジニアチームからも、使いやすいという反応をもらっています。
今後の展望:AIを活用したコンテンツ品質向上に期待
今後、microCMSをどのように活用していきたいですか。
-宮本さん
現在はYour Connect Portalだけに限定して利用していますが、今後は記事コンテンツを拡充して、お客様によりわかりやすく情報をお届けしていきたいです。将来的には、他の情報コンテンツへの展開や、ポータルサイト全体の情報発信基盤としても活用を広げていきたいと考えています。

microCMSに期待することはありますか。
-宮本さん
AIを活用した誤字脱字のチェックや、Your Connect固有の専門用語の統一性チェックができると助かります。特に専門用語については微妙なブレが生じることがあるので、自動検知してくれる機能があれば運用品質が向上すると思います。また、ポータルサイト全体の構成をAIがレビューして改善提案をしてくれるような機能も、将来的には期待しています。
(注)AIレビュー機能を2026年3月にリリースしました。詳細はmicroCMSブログをご覧ください。
取材協力:エディット合同会社(ライター:藤井亮一 撮影:関口佳代)
